私がパソコンを始めたのは、高校時代なので、もう20年近く前のことなのですが。
その頃には、既に記憶装置としてHDDが活躍し始めていたんですよね〜。
勿論、容量は20
MBとかで数十万という素晴らしい世界ですけどねw
その後、容量アップこそすれ、「ハードディスクドライブ」はパソコンの主たる補助記憶装置(って書き方も不思議な感じですね)として活躍してきた訳ですが。
ここ数年、遂に新しい流れが生まれてきました。
それが、半導体を使った高速記憶装置、SSDですね。
SSDは、HDDに比べて、消費電力が少ない、物理的な駆動部が無いので衝撃に強い、等の様々なメリットがありますが、やっぱり最大のメリットは、HDDでは絶対に無理な超高速度を実現してくれるってことでしょう。
2012年6月現在、128GBや256GBもお手頃価格になりつつあり、既に導入されている方も多いかと思います。
しかし、いざ導入するとなると、OS再インストールやら、データ移行やら、色々面倒なのもまた事実なんですよね…。
(´・ω・`;)
そんな中、レキサー(マイクロン ジャパン株式会社レキサー事業部)から、とっても便利な商品がリリースされました。
それが、今回ご紹介する、HDDキャッシュ用SSD「Crucial Adrenaline」です。
これは、システムに後付けしてソフトウェアをインストールするだけで、既存のHDDのキャッシュとして働いてくれて、OSやソフトの起動を高速化してくれる便利ツールなんですね。
その効果は絶大で、
「Crucial Adrenaline」でググってみれば様々なレビューサイトがあるので、そちらをご参照頂ければと思うのですが、SSDそものもに置換した場合に近い高性能をマークしてくれるのです。
ところで。
SSDって、それこそ500MB/sとか軽々と叩き出すので、前述のレビューサイト系って殆どSATA3.0、つまりSerial ATA 6Gb/sのM/Bでベンチマークしてるんですよね。
しかしながら、私の今のM/Bは、ASUSの
P5Q PRO。SATAは2.x系なので、3.0Gb/sまでしか出ません。
果たして、この状態で、どこまでの性能改善が見込めるのか…どーにも心配なのです。
ところが、いくらググってみても、SATA 3.0Gb/s (3.0Gbps って表記と、どっちの方が一般的なのかな?) 環境下でのベンチマーク結果って、見つからないんですよね〜。
(´・ω・`;)
…ま。悩んでも仕方ない。
ここは人柱として、俺がベンチマーク取ってやるっきゃねーな!
(`・ω・´)=3
ということで、さくっと購入してみましたwww
それでは、早速ベンチマーク結果を見てみましょう!
…ぁ、装着方法とか、その辺は、もう既出なので、がっつり省略しますねwww
【ベンチマークテスト環境】
CPU |
Core2 Quad Q8400 |
マザーボード |
ASUS P5Q PRO |
HDD |
WESTERN DIGITAL WD20EARX(OS導入用) |
OS |
Windows 7 Professional SP1 64bit |
ではまず、CrystalDiskMarkの計測結果です。
HDD単体のケース、Crucial Adrenalineを併用したケース@Cドライブ、Crucial Adrenalineを併用したケース@Dドライブの3種類です。
「Dドライブ」ってのは、Cドライブと同じ物理ドライブで、パーティションを切っています。
元々Crucial Adrenalineは起動ドライブのみをキャッシュする商品なので、『ブートパーティションと同じ物理ドライブに存在する、ブートパーティション以外のパーティションにも効果があるのか』を確認する為に計測してみました。
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HDD単体@Cドライブ
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Crucial Adrenaline併用@Cドライブ
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Crucial Adrenaline併用@Dドライブ
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数値では、キチンと効果を発揮していますね。
というか、SATA 3.0Gb/sの限界値を考えると、かなりの成績じゃないでしょうか。
Dドライブでも高速化が認められることからも、「起動パーティションが存在する物理ドライブ」は全般的にキャッシングしてくれる模様です。
それでは次に、実際にOSを再起動してみて、起動が完了するまでの時間を計測してみました。
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SONY製USBメモリ、「POCKET BIT」。
ReadyBoost正式対応の、今となっては貴重な逸品です。
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計測基準は、『BIOSのビープ音が鳴った瞬間』から、『デスクトップの表示が完了し、スタートアップ登録しているソフト「PeraPeraPrv」の起動音が鳴動するまで』を、ストップウォッチで計測してみました。
手計測なので、誤差はご容赦を…。
7回計測して、最短・最長の2回を除いた計5回の平均時間で比較してみようと思います。
というのも、何故か我が家ではPeraPeraPrvの起動が極端に遅かったんです。起動ロゴが出てから数十秒間は楽に固まる、みたいな感じで…。
一応EXE版を使っているのですが、元々JAVAベースなので、その辺の起動が関連しているのかなーって勝手に想像してました。
で、「ソフトの起動が遅いなら…」ってことで、Windows7のReadyBoost機能を併用した場合とも比較してみました。
元々は物理メモリが少ない場合に効果を発揮するReadyBoostなのですが…実際どうなのか?確かめてみました。
ReadyBoostに使用したUSBメモリは、SONY製のPOCKET BIT。USB3.0の時代になった今でも、キチンとオフィシャルにReadyBoost対応を謳ってくれている、嬉しい商品です。
ではでは、計測結果ッス。
【OS起動時間】
| HDD単体 | HDD+ ReadyBoost | HDD+ Crucial Adrenaline |
1回目 | 2分48秒39 | 2分26秒90 | 33秒37 |
2回目 | 1分29秒30 | 1分35秒65 | 34秒83 |
3回目 | 1分27秒34 | 1分54秒49 | 33秒10 |
4回目 | 2分40秒15 | 1分40秒36 | 34秒27 |
5回目 | 1分29秒83 | 1分40秒88 | 34秒62 |
6回目 | 1分46秒25 | 1分34秒33 | 34秒72 |
7回目 | 1分47秒99 | 1分30秒06 | 34秒49 |
平均値 | 1分50秒70 | 1分41秒14 | 34秒29 |
つ・う・じょ・う・の・さ・ん・ば・い!!!!!
(`・ω・´)=3
HDD単体と比べると、Crucial Adrenalineを併用すると3.23倍ほどの高速化が認められます。
正直、これほど効果があるとは驚きです。
実際、体感速度というか、再起動時の高速化は即体感出来ていますし、PeraPeraPrvの起動も一瞬で終わるようになりました。
Crucial Adrenalineすげぇ!Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)
逆に、ReadyBoostは殆ど効果が認められませんね…
(´・ω・`;)
一応、平均値で10秒ぐらい高速化されてはいますし、最低値は20秒ぐらい高速化されていますが、最速値では逆にHDD単体の方が早かったりもするので、ちょっと微妙ですねー。
次に、ついでなので、休止状態からの復帰に時間差が生まれるかを確かめてみました。
Windows7の設定を変更して、ハイブリッドスリープは無効にしています。純粋な休止状態からの復帰ですね。
…いやまぁそもそも我が家では何故かハイブリッドスリープがONだと正常に復帰しないという問題がありまして…。
何かのデバイスが干渉してるんだろうと思ってるんですが、検証するのもメンドイんで休止状態をデフォにしてますw
とはいえ、Crucial Adrenalineは「キャッシュとして働く」という性質上、例えばDataplexをアンインストールせずにSSDを外すと警告が出るなど、制約もあるので、ハイバネーションファイルもキャッシングするのか、確かめたかったんです。
計測基準は、『BIOSのビープ音が鳴った瞬間』から、『デスクトップの表示が完了するまで』を、ストップウォッチで計測してみました。
これまた手計測なので、まぁ目安程度にして下さいね。
【休止状態からの復帰時間】
| HDD単体 | HDD+ ReadyBoost | HDD+ Crucial Adrenaline |
1回目 | 24秒90 | 25秒62 | 27秒00 |
2回目 | 26秒73 | 28秒05 | 27秒22 |
3回目 | 28秒57 | 26秒55 | 25秒96 |
4回目 | 28秒13 | 27秒99 | 25秒70 |
5回目 | 27秒64 | 25秒43 | 25秒70 |
6回目 | 27秒57 | 26秒07 | 25秒68 |
7回目 | 27秒78 | 26秒80 | 25秒75 |
平均値 | 27秒56 | 26秒46 | 26秒02 |
こちらは、殆ど誤差の範囲ですね…
(´・ω・`;)
ReadyBoostにせよ、Crucial Adrenalineにせよ、恐らく、ハイバネーションファイル(見てみたら6GBほど有りました)の読み込み時間は殆ど高速化処理が働かず、差が生まれなかったんでしょう。
この計測結果からすると、ハイバネーションファイルはキャッシュの対象外のようですね。
まぁ非常に重要なファイルですから、万が一のキャッシュ漏れを防ぐ為に、最初から対象外になってるんでしょうねー。
個人的な環境としては、休止状態からの復帰が高速化しなかったのは残念ですが、それでも何かあった際の再起動などが高速化されたのは嬉しい限りです。