私の部屋は往々にしてキタナイのですが、その原因の一つに「物がありすぎる」というのが挙げられると思うのです。
筆者自室の本棚。
見えているテープの後ろには同じ本数のテープが隠されていますし、本棚以外の場所にも大量に(汗。
本棚一つとっても右写真のような有様で、十年以上にわたって録画し続けたビデオテープの数は、100や200では利かないでしょう。さりとて、これらのテープ、破棄するにはもったいない。某「全国の小学生がバタバタと倒れたシーン」が録画されているテープなど、絶対に捨てられません(爆)。
(ちなみにあのシーン、私も見ましたが、確かに多少『いつもと違う疲労感』を感じましたねぇ。)
基本的に、破棄は出来ないけどスペースを確保したい場合、その物を小さくするしかないと思うんです。HDDの中のデータなら圧縮するでしょうし、押入の中の使わない座布団なら布団圧縮袋で小型化すれば便利ですね。ということで、この大量のVHSテープを何とかして小さくしたいと切望しているんです。
そこで目をつけたのがDVD-RによるDVD-Video化です。VHS-Cならデッキの互換性は取れますが、録画時間が少ない。8mmやDVという手もありますが、やはりランダムアクセス性やPCでも再生できる利便性は大変有り難い物です。
さてここで、もし万が一、うちのサイトをくまなくチェックして下さっている、もうその人の方向には足を向けて眠れないぞって感じの方がいらっしゃればピンと来るかもしれませんが、私はキャプチャカード搭載のキャプチャPCを使っています。DVD-RAM/Rドライブも搭載しているので当然DVD-Video作成も可能なのですが、まーもっさ面倒くさい。
実際やったこともあるのですが、例えば2時間のテープを変換する場合、実時間(2時間)かけてキャプチャして、十分ほど使ってライティングソフトに登録、そして30分ほどかけて焼くわけですよ。3時間ちょっとかかりますかね。しかも途中途中に人の手が入る。その上、私はオーサリングソフトに専用の物を使っているわけではないので、ビットレートが固定されていて非常に不便なのです。
ということで、考えたのが家電であるDVD/VHSレコーダー。家電なだけに操作は簡単、当然手間も少ない。実質的にはダビング設定をして、最後にファイナライズだけすれば良いわけですね。
この分野の商品は今年のヒットらしく、各社から様々な商品がでています。そんな中で私が目をつけたのが、PanasonicのDIGAシリーズ、「DMR-E150V」なのです。
この商品最大の特徴は、世界で初めて、DVD、HDD、VHSの、3つのメディアを使えることでしょう。細かい説明は各種サイトに任せるとして、私にとってこの「3つとも使える」というのはとてもメリットがあるんです。
DVDは元々書き込むのに使いたいですし、VHSも内蔵していればわざわざVHSデッキと外部接続する必要が無いしデッキも一台で済んで場所を取りません。さらにHDDを内蔵していることで、例えば1本のVHSを2つのDVD-Rに分けたい時(アニメの最終話は大抵26話、2時間テープに標準で録画することが多い私の場合、最後のテープは2つの番組の25話、26話が記録されていることが多いんです)や、現在放送中の番組を記録しておくのにとても便利なのです。
DMR-E150V@私のPCデスク
ということで、発売日直前の週末、新宿の量販店でフライング販売していたDMR-E150Vをさくっと購入して参りました☆
大きさはBSチューナー内蔵S-VHSデッキといった感じですね。一般的なDVD/VHSレコーダーとさほど大きさは変わらないと思います。いったいどこにHDDを入れているのやら(汗)。でも、そのサイズのおかげで、無事私のPCデスクに置くことが出来ました。
ちなみに、最近のデッキにしては珍しく(と筆者は感じたのですが)、コンポジットケーブルが添付されています。本体だけ買えばすぐにTVに繋げられるわけですね。
しかし、その旨が外箱に一切書かれていない。ということで、私は間違ってケーブル買っちゃいましたよ(汗)。勿論添付品は安価ケーブルですので、高品質ケーブルを使って画質向上を望みたい場合には別途買う必要も出てくるでしょうが、そうでもない限りケーブルを買う必要はないでしょう。
設置も特に難しいことはなく、ビデオデッキと何ら変わりません(当然といえば当然ですけどね)。ただ、これはビデオデッキにも言ることなのですが、最近のデッキ系は電話番号などから地域を指定、チャンネル設定を変えてくれるんですが、CATV契約者のことを考えて「999:手動」のような設定を用意しているメーカーが殆どありません。大抵の場合、「埼玉」等を選択してから手動で修正することになるんですよね…どうにもこれは好かないっすわ。
さてさて、実際にVHSをDVDにしてみましょう。
操作自体は相当に簡単です。ダビングメニューを表示して、ダビング元に「VHS」を、ダビング先に「DVD」を指定すれば、VHSの中身をすべてDVDにしてくれます。録画モード(ビットレート指定)についても、VHS側の記録時間から計算して、DVD1枚にぴったり合わせる「FRモード」が存在するので特に考える必要もありません。
録画モードは手動で設定も出来ますが、DVD1枚に対して、1時間録画の「XPモード」、2時間録画の「SPモード」、4時間の...という感じで、4つあるモードから選ぶだけで、自分で意図的にビットレート値を設定するモードはありません。この点については、家電製品であるDVDレコーダーでMPEG2の仕様をユーザーに設定させる必要があるのかという意味で賛否は分かれると思います。まぁ個人的には「詳細設定としてあれば便利なのに」とは思いますけどね〜。まぁそのために商品価格が+5千円とかになっても困るので(笑)。
ただ、自動合わせの「FRモード」にも疑問点がありまして。
例えば、2時間テープに、1時間54分記録されていて、残りは未録画領域だったとしましょう。この場合、DVD1枚に2時間である「SPモード」と同等か、それ以上のビットレートになり、ダビングは1時間54分で止まるはずです。しかし実際に実行すると、未録画領域部分もさっくりダビングしているように見えるんです。
「見える」というのは、未録画領域に差し掛かっても、VHS側が再生動作をしていて、DVD側が録画動作を行っているという意味です。なのでまぁ実際にダビングしている可能性が強いと考えています。
もしダビングしているとするならば、VHSの2時間テープは大抵2時間6分程の記録容量があるので、「SPモード」よりビットレートが低くなっている可能性があります。
この辺は時間があればPanasonicに問い合わせてみたいところですね。
さて、DMR-E150VはHDDも搭載している訳ですが、HDDからDVDへダビングする場合、「高速ダビング」が選択できます。細かい内部動作はわかりませんが、要するにPCで言うところの「MPEGファイルをDVDにコピーする」状態なのでしょう。通常のダビングは「HDD内のMPEGファイルを再生しながらDVDにキャプチャ」するため、2時間番組なら2時間かかりますが、高速モードは焼くだけなので、文字通り高速です。
さてこの高速モード、残念ながらいつでも使えるわけではなく、詳細設定でHDDへの記録を「高速録がモード」に指定する必要があります。高速モード指定時には若干の制限があるため、マニュアルにその注釈があるのですが、それがとてもわかりにくいんです。
一番わかりにくいのが、録画モード変更ダビングの可否に関する記述です。高速モードは高速にダビングするため、例えばXPモードでHDDに録画した物を、SPモードでDVDに記録することは「出来ない」と書かれています。この「出来ない」という意味が明確に書かれていないんです。
マニュアルには表が記載されており、その表にはこのように書かれています(マニュアルより引用、一部抜粋)。
高速 等速 画質 ダビング元の画質 変更できる
また、この記述以外の場所にも、繰り返し、「『高速モード』には各種制限があります」的な記述が多く、「詳細設定が『高速モード』になっていると、録画モードを変更してのダビングは一切『出来ない』」のでは?という印象を受けます。
結論から書くと、この「出来ない」は「高速ダビングでは出来ない」という意味であり、仮に詳細設定で「高速モード」にしていたとしても、ダビング時に通常ダビングを指定すれば、HDD内のXPモードの番組をDVDにSPモードで記録することは可能なんです。
実は私は最初これに気づかず、高速モードを殆ど使っていませんでした。今では詳細設定は常に「高速モード」にしています。 高速モード時にはワイド画面での録画が出来ない、音声が主/副同時には記録できない、等の制約はありますが、これらは私の用途(主にVHSコンバート、しかもアニメが中心)ではさほど影響はありませんし、どうしても必要になったらモードを切り替えればいいだけですからね。
家電として販売する以上、機械音痴である筆者の実父でも理解できるようなマニュアルが必要なのですから、是非ともこの辺は考慮して欲しいものです。
あとはまぁ、欲を言えば、番組の録画予約情報毎にこの設定を変えられれば、例えば詳細設定では「高速モード」にしてるけど、この洋画はワイドで録画したいから高速を解除、というような使い方が出来て便利かな〜とか思うんですけどね。まぁ家電はある程度機能を割り切る必要もありますからねぇ……
まぁいろいろ書きましたが、現状でDVD、HDD、VHSのすべてが使えるのはこの機種のみですし、全体を通してみると非常によくまとまっていると思います。
VHSと、DVDもしくはHDDのダブルチューナーという仕様(つまりDVDとHDDに同時に録画は出来ない)や、TV画面上に表示されるOSD画面を見る限り、内部では「DVD/HDDレコーダー」と「VHSデッキ」に分かれているようですが、OSDのデザイン以外の点ではそれを感じさせない作りも有り難いです。
ただ、HDDが80GBと最近の商品としては少なめなのがちょっと残念ですね。私の用途では今のところHDDの容量不足に陥ることはありませんが、出来ればもっと大容量のモデルなり、現行モデルのHDD交換サービスなりを展開してくれるとうれしいです>Panasonicさん☆