EOS kiss Digital 初心者奮闘(?)記

kissが上手になりたいなっ☆ 



【その9:お手軽パンケーキを試す!】


・薄くて美味しいパンケーキ♪
皆さんは、「パンケーキレンズ」と言う物をご存じでしょうか。

…まぁ、ちょっとカメラに興味を持ってる人なら聞いたことはあると思いますが(^^;

パンケーキレンズとは、外見がパンケーキのように薄いレンズの俗称です。
例えば、ペンタックス社が2004年に発表した「smc PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited」が相当します。

パンケーキレンズの特徴は、薄型軽量なので持ち運びに便利であること、またレンズ部がでかくないので、カメラを被写体に向けた時の威圧感がちょっぴり少ないこと等が挙げられると思います。


これは是非kissDに装着して、手軽に持ち歩いてみたい!


ところが、CANONはこの手のレンズを商品化していません。
有名レンズメーカーも、EFマウントのパンケーキというのはあまり作っていないらしく、私は見たことがありませんでした。

・激安!お手軽!簡易レンズ
そんなある日、「Loreo LENS IN A CAP」なる商品を知りました。

この商品は、基本的には一眼レフカメラのマウント部を保護するボディキャップなのですが、何と簡易レンズが内蔵されています。
フォーカス調整こそありませんが、35mm F5.6のレンズを搭載。F値は5.6/8/16/32/64の5段階調整が可能とのこと。

フォーカス機能を持ち合わせていないことから察するに、「レンズ付きフィルムのレンズ部を一眼レフに搭載する」感覚ではないかと予想。早速注文してみました。

価格は\2,600-。ボディキャップとしてみるとちょっと高めですが、レンズとして考えたら激安の部類にはいるでしょう。

Loreo LENS IN A CAP パッケージ裏面 パッケージの中身
Loreo LENS IN A CAPのパッケージ。
何だか、壁に引っかけられた状態で売られていそうな感じですね(笑)
こちらが裏面。
英語で説明が記載されています。
パッケージの中身はこんな感じ。
シンプル・イズ・ベスト。

さて、届けられた商品のパッケージは、11cm×7cm×3cmほどの小さな物。
まぁモノとしてはボディキャップな訳ですから、このぐらいの大きさになるのは当然ですね。

パッケージの裏面には、この商品が固定焦点の35mmレンズを搭載していることや、レンズの絞り値を調節出来ること、オプションの10Xルーペの記載などがある…ようです(汗)

いやぁ、英語、どうも苦手でして…

ちなみに、説明文の最後には、「Don't forget, the Lens in a Cap also acts as a sturdy protective body cap for your SLR camera.(おっとお忘れ無く、Lens in a Capは貴方の一眼レフカメラの為の頑丈なボディキャップの役割も果たしますよ。)」てな記載もあります。
こいつはやっぱりボディキャップなんですねぇ〜。

※上記翻訳文は、Infoseekでの機械翻訳を元に適当にアレンジした物なので、間違ってるかも…(汗
Lens in a Cap 本体 Lens in a Cap 本体 裏面
本体はこんな感じ。
下の方にある数字は絞り値。この写真はF16に絞ってある状態ですね。
裏はこんな感じ。


早速中身を取り出してみると、やはりボディキャップと銘打ってるだけあって薄いです。

上記ペンタックスのレンズ(15mm)にはかないませんが、全長は約21mmぐらい。
EFマウントに直接装着するレンズとしては相当薄いですね。


一つ気になったのは、EFレンズ取り付け指標に相当する物が一切無いことです。

慣れてしまえば無くても構わないのでしょうし、他のレンズやボディキャップから連想することも可能と言えば可能なのですが、やはり何らかの目印を外側に付けて欲しかった、と言うのが素直な感想ですかね。

まぁ、安価なのでこの辺は妥協しましょう。自分はシールを貼って代用しました。

F5.6(絞り開放) F64 キャップ状態
ちょっと写真がボケてしまいましたが、これが絞り開放であるF5.6の状態。
中央部のレンズがよく見えます。
こちらは最も絞った状態のF64。
中央の穴は円錐のような形になっていて、レンズ直前で更に小さくなっています。
これがボディキャップ状態。
F∞、とでも言いましょうか(笑)

絞りはレンズ下部をスライドさせることで調整します。

ここをくるくると回すことで、5.6/8/16/32/64の各数字、及び何も書かれていない場所を選択する形です。

数字を選ぶと、レンズの外側に設けられている板が連動して回転、穴の大きさが変わることで絞りが変化します。

F64ともなれば穴は相当に小さく、まるでピンホールレンズのようです。

なお、何も書かれていないと穴が一切空かない状態になります。これが、いわゆるボディキャップとしての役割を果たす状態ですね。

・kissDに装着!
それでは早速、kissDに装着して撮影を行ってみましょう。

ところで、このレンズの場合、絞りが手動です。
というより、カメラ本体と通信する電気接点が全くありません。

ですので、カメラ側ではF値がいくつなのか判断出来ないのです。

このような場合、オートモードではなく、絞り優先モード( Av )を選択することで、カメラ側でシャッタースピードを自動的に設定してくれます。

とはいえ、レンズとの相性で上手く設定してくれないこともあります。その場合には露出補正を行うか、フルマニュアルでシャッタースピードも自分で設定することになります。


…ま、論より証拠。まずは撮影してみましょう。

※なお、以下の作例でコメント欄が水色の物については、リンク先の画像は無加工(ファイル名のみ変更)になります。

【作例1:野外での三脚撮影】

F5.6 F8
【F5.6】

1536x1024 / 1/1000秒 / F5.6 / ISO400 / 35mm
【F8】

1536x1024 / 1/800秒 / F8 / ISO400 / 35mm

F16
【F16】

1536x1024 / 1/640秒 / F16 / ISO400 / 35mm

F32 F32 EV+2
【F32】

1536x1024 / 1/200秒 / F32 / ISO400 / 35mm
【F32 EV+2.0】

1536x1024 / 1/80秒 / F32 / ISO400 / 35mm / EV2.0

F64 F64 EV+2
【F64】

1536x1024 / 1/125秒 / F64 / ISO400 / 35mm
【F64 EV+2.0】

1536x1024 / 1/30秒 / F64 / ISO400 / 35mm / EV2.0


F5.6及びF8は、非常に綺麗に撮れていますね。

ディスプレイ上で等倍鑑賞するとピンぼけが目立ちますが、F8ぐらいからはいわゆる写真サイズに印刷してしまえばあまり目立ちません。


F16になると、若干画面が暗くなっています。

ただ、これは撮影する場所にもよるようで、別の場所でF16使って撮ってみたところ、非常に綺麗な写真になりました。

F16ぐらいまで絞るとピントもかなり綺麗になってきますので、十分実用の範囲内ではないでしょうか。


問題は、F32及びF64です。


F32の場合、画面中央が何だか白くなっています。

原理とかはよく分からないのですが、まぁ要するに周辺部分は光量不足になっているのではないでしょうか。

いくらシャープな写真になったとしても、これでは正直悲しいです。


更に厳しいのがF64。

F64の場合、晴天下でも、ファインダーの中はかなり暗いです。青空が入るようにしてようやく、ビルなどがシルエットとして浮かび上がるイメージでしょうか。

ですから、画像云々よりも、カメラを構える段階が既に困難を極めます。

F32の時に発生した、画面中央の白い円形も健在で、「気楽に使えるか」と言われると正直疑問符が付きます。


ただ、これらのモードの場合、マニュアル撮影で長時間シャッターを使って面白い写真を撮ろうとすると、意外と活用の場は広がるかも知れません。

・一眼レフは使い捨てカメラの夢を見るか?
さて、実際に撮影してみた感想ですが、F8及びF16は十分に実用性があると思います。

F5.6は流石にボケてますが、それでも現像(印刷)してしまえばあまり分からないので、これも有効でしょう。


このレンズのような「フォーカス機構を持たない単焦点レンズ」の代表格が、いわゆる使い捨てカメラである、「レンズ付きフィルム」ですね。

あれで撮影した時だって、一眼レフカメラ(に良いレンズを装着した場合)のような高級カメラで撮った時みたいに綺麗には写りません。

それよりも大切なのは、レンズ付きフィルムは気楽に使えるという点なのでしょう。


一方、一眼レフカメラの場合、撮影時にレンズを装着する手間が発生します。

勿論、装着したまま移動してしまえばよいのですが、そうでない場合は「あっ、ここの写真撮りたいなっ」と思ったら、わざわざレンズを装着してからの撮影になる訳ですね。

別途コンパクトカメラを持ち歩くという手もありますが、余計にかさばってしまいます。

ところが、このLens in a Capを利用していたならば、とりあえずはその場ですぐに撮影できる訳です。


画質よりも手軽さを重視したLens in a Cap。

ペンタックスのパンケーキレンズとはひと味違ったこの商品は、価格を考えるとかなりお買い得なんじゃないかな、と思いました。

<2005.07.03 ななぼん>


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